DXFファイル保存機能

選択している筆の筆界線DXFファイルに保存できる機能です。そのままCADで読み込んで敷地図の作成などに利用できます。

dxf save flow

DXFファイル保存機能は、PDF印刷機能と同じくKouzuキーで利用できます。Kouzuキーを入手すればPDF印刷機能と両方を利用できます。

目次

  1. DXFファイル保存の方法
  2. DXFファイルのフォーマット
  3. オプション
  4. DXFファイルのサンプル
  5. 注意事項(ご利用前に必ずご確認ください)
  6. バージョンアップ履歴
こちらもぜひご覧ください
DXFファイル保存機能を利用して簡単に敷地図をつくる方法

あたらしいDXFファイル保存機能を利用するととても簡単に敷地図がつくれます。その方法を Jw_cad を用いて説明します。

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1. DXFファイル保存の方法

保存する筆の選択

まず、筆界線をDXFファイナルに保存したい筆をクリックして選択状態にします。

fude select

複数の筆を選択する場合

ツールの[筆の選択モード]を使うと複数の筆を選択できます。

fude multi select
ツールの[筆の選択モード]を用いた筆の複数選択

DXFファイル保存の開始

次に以下のように左側にある「DXFで筆界線を保存」ボタンをクリックします。

pdf button

キーの入力・保存実行

すると以下のようなダイアログが表示されるので、キーの欄にKouzuキーを入力して「保存」ボタンをクリックします。キーの入手方法はこちらをご覧ください。

pdf rect and controls

DXFファイルは、通常数秒でダウンロードされ、以下のように拡張子がdxfのDXFファイルが保存されたのを確認できます。

pdf rect and controls

図面全体をまとめてDXFファイルに変換したい場合

本DXFファイル保存機能は、選択した筆をDXFファイルに保存します。一方、表示している図面全体をDXFファイルにしたい場合は、一度GeoJSON形式に保存してから他の方法でDXFに変換します。詳しくはこちらのページをご覧ください。

2. DXFファイルのフォーマット

本機能のDXFファイルは、以下のフォーマットで作成します。

「地番ラベルを付加する」オプションの選択時
DXFファイルのフォーマット
バージョン R12形式
エンコーディング UTF-8
Shift-JIS
改行コード LF
レイヤ 0 : 筆界線(LINE)
label : 地番ラベル(TEXT)

DXFファイルには、「筆界線」だけを以下のように線(LINE)で書き込んでいます(ポリラインでなく単純な線を1本ずつ書き込んでいます)。

data dxf parts

また、本機能で保存するDXFファイルは、読み込んだ登記所備付地図データの座標値をそのまま使用するので、尺度実寸大(1:1)単位メートルになります。ただし、後で説明するオプションでミリ単位を選択した場合は、単位はミリになります。

3. オプション

DXFファイル保存には、「ミリ単位にする」「地番ラベルを付加する」「余分な線は除外する」の3つのオプションがあります。以下の画面でそれぞれのチェックボックスにチェックすると有効になります。

data dxf parts

それぞれのオプションの内容を以下で説明します。

ミリ単位にする

登記所備付地図データの座標値は、単位が「メートル」です。

DXFファイル保存では、登記所備付地図データの座標値をそのまま使用するので、同じく単位は「メートル」になりますが、このオプションをONにすると座標値を1000倍にして単位を「ミリ」にできます。

単位を「ミリ」にしたDXFファイルがあれば、そのまま「ミリ」単位で作図できるので、Jw_cadで読み込むときも便利です。

このオプションをONにすると以下のようにファイル名の末尾に「_mm」が付くので、デフォルトのメートル単位のファイルと区別できます。

dxf mm suffix

地番のラベルを付加する(Jw_cad用)

DXFファイルを保存する時に、地番ラベルのデータも一緒に付け加えるオプションです。地番ラベルは文字(TEXT)データとして、筆界線とは別に「label」レイヤに書き込まれます。

本オプションをONにすると、Jw_cad で日本語を問題なく読み込めるようにDXFファイルは「Shift_JIS」でエンコーディングされます。これで以下のように日本語の地番ラベルを読み込むことができます。

dxf with label
Jw_cadでの日本語の地番ラベルの読み込み例(サンプルの千代田区一番町無地番-22他_mm.dxfを使用)

上の図で使用したDXFファイルのサンプル(千代田区一番町無地番-22他_mm.dxf)は、本ページの4.DXFファイルのサンプルでダウンロードできます。

地番ラベルは、デフォルトではラベルの「中心」を筆の代表点に合わせて配置されますが、以下のラジオボタンで「左下」に変更することもできます。

dxf label align

Jw_cad では、文字サイズを変更する時に左下を基点にするので、「中心」の場合は文字サイズを変更すると位置がズレます。そのため、文字サイズを大幅に変更すると元の位置から大きくズレてしまいます。そのような時は「左下」にしておくと基点と同じになりズレないので便利です。

文字サイズについて

本オプションでは文字サイズは一定の値(3、ミリ単位の場合は3000)を用いています。そのため、筆の大きさによっては文字サイズが大きすぎたり小さすぎる場合があります。

また、Jw_cad ではDXFファイル読み込み時の縮尺によって文字サイズが変わります。例えば、1/500で読み込まれたDXFファイルの文字サイズは、3000/500=6(ミリ単位の場合)になります。

このようなことから地番ラベルの文字が適当なサイズにならない場合が比較的よくあります。その時はCADソフトで読み込んで編集作業で文字サイズを変更してください

例えば、Jw_cadでは、[文字]ボタンをクリックして、地番ラベルを選択すれば以下の手順でサイズを変更できます。移動したい場合は 、地番ラベルを選択した状態で移動先をクリックします。

jwcad change font
Jw_cadでの文字サイズ変更手順の例

さらに、一括で変更したい場合は、以下のように地番ラベル専用の「label」レイヤをアクティブにしてから[全選択]した状態で、[属性変更]で文字サイズを指定します。

jwcad change font
Jw_cadでの文字サイズ一括変更手順の例

※ Jw_cadの操作方法は、専門のサイトや書籍などを参照してください。

Jw_cad以外のCADソフトでは文字化けすることがあります

本オプションで保存したDXFファイルは、DXFの仕様(R12形式)とは異なり、日本語をUnicodeコードポイントに変換していないため、CADソフトによっては文字化けすることがあります。

本来のDXFの仕様(R12形式)では、日本語はUnicodeコードポイントに変換することになっていますが、それだと Jw_cad では日本語で表示されません。例えば、「道」のUnicodeコードポイントは「¥U+9053」ですが、Jw_cad では以下のようにそのまま「¥U+9053」と表示されてしまいます。

dxf unicode example
Jw_cadでUnicodeコードポイントを読み込んだ例

そこで、本オプションでは、Unicodeコードポイントに変換しないで、Shift-JIS にエンコーディングすることで Jw_cad で日本語も問題なく読み込めるようにしています。しかし、その一方で正規のDXFの形式ではなくなってしまうため、CADソフトによっては正常に読み込めなくなることがあります。

余分な線は除外する

このオプションはPDF印刷の余分な線の未描画機能と同じ処理を行います。

ドーナッツ状の形をした筆は、法務省の仕様では2つのリングで表しますが、登記所備付地図データの中には「1筆書き」で入力されているものがあります。

そのような筆を公図ビューアで描くと以下のように余分な線が残ってしまいますが、このオプションをONにするとDXFファイルに保存するときに除外できます(ただし、本機能のアルゴリズムで検出できる線に限ります)。

data dxf parts

4. DXFファイルのサンプル

以下の表中のリンクから、DXFファイルのサンプルをダウンロードできます。ご購入にあたってはご使用されているCADで正常に読み込めるか事前にご確認ください。

所在
(座標系/地図種類)
サンプルDXFファイル オプション
ミリ単位 地番ラベル
東京都千代田区三番町2-2
(任意/地図に準ずる図面)
千代田区三番町2-5.dxf
千代田区三番町2-5_mm.dxf
東京都千代田区大手町1丁目7-29
(公共/法第14条1項地図)
千代田区大手町1丁目7-29.dxf
千代田区大手町1丁目7-29_mm.dxf
千代田区一番町無地番-22他 計6筆
(任意/地図に準ずる図面)
千代田区一番町無地番-22他.dxf
千代田区一番町無地番-22他_mm.dxf

※ 末尾に「_mm」が付いているのは、オプションで作成した「ミリ単位版」です。
※ 千代田区一番町無地番-22他の計6筆は、ツールの選択モードを利用して選択した複数の筆のデータです。

例として、Jw_cadで読み込むと上記のサンプルファイルは以下のような図面が表示されます。

dxf sample 1
千代田区三番町2-5_mm.dxf
dxf sample 2
千代田区大手町1丁目7-29_mm.dxf
dxf sample 3
千代田区一番町無地番-22他_mm.dxf

弊社では上記のサンプルファイルの表示確認に Windows11 で以下のソフトを利用しました。なお、DWG TrueViewは、地番ラベルを付加するオプションで保存したファイルを読み込むと日本語の地番ラベルは文字化けします。

Jw_cad での読み込みについて
[基本設定]の[DXF読込み]で以下のように「図面範囲を読取る」のチェックをONにした状態でDXFファイルを開いてください。この設定をしないと図面が画面内に表示されません。

Jw_cad settings
Jw_cadの基本設定(基設)

5. 注意事項(ご利用前に必ずご確認ください)

公図ビューアのDXFファイル保存機能は、以下の注意事項をご確認いただき、ご了解いただいた上でご利用ください。また、本DXFファイル保存機能のご利用にあたってはKouzuキーを使用しますので、Kouzuキーの注意事項も併せてご確認ください。

  • 登記所備付地図データの特徴(精度の低い図面を含む・リアルタイムでない等)を十分に理解した上で適切にご利用ください。
  • 本DXFファイル保存機能は、あくまでも読み込んだ登記所備付地図データの一部の筆界線をDXFファイルに保存する機能です。この機能で保存したDXFファイルを用いて図面等を作成しても、内容を証明する書面にはならないのでご注意ください。
  • 不具合の修正や機能の改善のために予告なしに改変することがあります。
  • ご利用にあたっては、こちらの内容についてもご確認いただき、ご了解いただいた上でご利用ください。当該利用規約に記している通り、本サイト(すべてのツール、コンテンツ、データ等を含む)の使用または使用不可によっていかなる損害が生じた場合でも、弊社はその一切の責任を負いません。

6. バージョンアップ履歴

バージョン 年月日 内容
Ver.1.0.0 2024/12/16 初回リリース
Ver.1.1.0 2025/08/17 地番ラベルを付加するオプションを追加

※ 網掛けされているのが現在のバージョンです。