PDF印刷機能
法務局で取得した公図を資料に使うときに、以下のように思ったことはないでしょうか。
- もっと広い範囲が欲しい
- もっと拡大した範囲が欲しい
- 少し範囲をずらしたい
- 縮尺 1/600 ではなくて 1/500 や 1/1000 に合わせたい
これらは、複数の公図をつなぎ合わせたり、コピー機で倍率を設定すればできますが、面倒な作業です。そこで、公図ビューアに自分で範囲や縮尺を指定できるPDF印刷機能をつけました。
PDF印刷機能は、本ページに記載している有料記事をご購入いただいた方のみご利用になれます。PDF印刷機能だけの販売は、本ページで説明している理由により実施しておりません。
目次
- PDF印刷方法
- キーの入手方法
- PDFの用紙サイズ・レイアウト(見本)
- 縮尺について
- 地番のラベル印刷のON/OFF切り替え
- 張り合わせに便利な機能(移動、張り合わせモード)
- 余分な筆界線の未描画機能
- 地番リストのCSV出力機能
- 注意事項(ご利用前に必ずご確認ください)
- バージョンアップ履歴
使い方の説明はYouTubeでもご覧いただけます。
お試し体験を随時実施しております。実施中は、ビューアで[PDFで印刷]ボタンをクリックして表示される画面に体験方法が記載されます。実施状況はサポートのお知らせをご覧ください。
1. PDF印刷方法
PDF印刷の開始
PDF印刷を行うには、まず以下のように左側にある「PDFに印刷」ボタンをクリックします。
すると以下のように[用紙サイズ・レイアウト, 縮尺, 実行ボタン, 終了ボタン]からなるコントロールと出力範囲の赤枠・中心の赤丸が表示されます。
出力範囲の設定
次に用紙サイズ・レイアウト、縮尺を選択しながら、出力したい範囲が赤枠に入るように位置を合わせてください。出力したい範囲が決まったら「PDF印刷実行」ボタンをクリックします。
ここで、出力範囲の中心の赤丸(○)が筆の中に入るように位置を合わせてください。出力範囲の中心に筆がないと所在・地番等は印刷されません。
キーの入力・印刷実行
すると以下のようなダイアログが表示されるので、キーを入力して「実行」ボタンをクリックします。キーの入手方法は、こちらをご覧ください。
しばらく待つとPDFファイルがダウンロードされます。通常は、数秒で作成できます。
これで以下のようなPDFが保存されます。
終了
PDF印刷が完了したら、最後に「終了」ボタンをクリックします。コントロールボタンや出力範囲の赤枠・赤丸の表示が消えます。
プリンターで印刷する時は倍率を100%に!
作成したPDFファイルをプリンターで印刷する際には、印刷サイズを「実際のサイズ」(倍率 100%)に設定してください。用紙サイズに自動で倍率を合わせる設定にしておくと縮尺通りに印刷されません。
2. キーの入手方法
PDF印刷機能を利用するには「キー(英数字のテキスト)」の入力が必要です。キーは、以下の有料記事の特典として提供しています(有料記事内に記載してあります)。
※ デジタルコンテンツを取り扱っている「note」というWebサービスで販売しています。
登記所備付地図データには、縮尺の精度が低い図面データも含まれています。そのため、PDF印刷機能で縮尺を指定して出力しても、筆界線の長さや道路幅が現地とかけ離れている場合があります。このような登記所備付地図データの実態をよく把握された上でご利用いただきたいという考えから、キーだけの販売はせず、上記記事の特典として提供させていただいております。
- キーの有効期限は2025年6月30日です。有料記事をご購入された日付に関係なく2025年6月30日を過ぎると使用できなくなりますので、使用できる残りの期間が短くなる前に早めのご購入をおすすめします。次回の記事は2025年6月に公開予定です。
- キーは都合により変更することがあります。変更した場合には、必ず有料記事に新しいキーを掲載しますので、その都度ご確認をお願いします。
法務省から公開されている「登記所備付地図データ」は、法務局にある地図データそのものです。このデータを整理すれば、リアルな公図の現況かが見えてきます。
そこで、2024年版の登記所備付地図データの全国約32万ファイルを読み込み、図面の分類や縮尺などを集計してみました。その結果をまとめたのが、上記の有料記事です。データが一般公開されるまでは、知り得なかった情報ですので、ぜひこの機会にご覧ください。
「note」は、note株式会社(東証グロース 5243)が運営するデジタルコンテンツを創作・公開・販売できる国内有数のデジタルプラットフォームです。累計会員登録者数は777万人に及びます(2024年2月末時点)。ユーザーは個人だけでなく、多くの有名企業が自社のオウンドメディアの運営に利用しています。
3. PDFの用紙サイズ・レイアウト(見本)
用紙サイズとレイアウトの組み合わせは以下の3種類から選べます。
種類 | 用紙サイズ・向き | レイアウト |
---|---|---|
A3 図+表 | A3・タテ | 図と表 |
A3 図のみ | A3・タテ | 図のみ |
A4 図のみ | A4・タテ | 図のみ |
※ 「A3 図のみ」と「A4 図のみ」は Ver.1.1.0
で追加されました。
レイアウト(見本)
「図と表」のレイアウトは、以下のように出力範囲の図面とその下に表を配置しています。表には、図の中心部分の筆について、所在・地番の他に地図分類(第14条1項地図等)などの属性情報が印刷されます。また、データの出典、読み込んだファイル名も印刷されます。
「図のみ」のレイアウトは、以下のように図面だけを配置しています。表は出力されず、図の中心部分の筆については、所在・地番だけが用紙の下端に印刷されます。地図分類(第14条1項地図等)などの属性情報は印刷されないので、おもに図面だけを必要とする用途にご利用ください。
4. 縮尺について
縮尺の種類
PDF印刷の縮尺は、以下のプルダウンメニューから選択できます。選択できる縮尺は、不動産登記規則に記載されている「1/250, 1/500, 1/1000, 1/2500」に「1/200, 1/300, 1/600, 1/1200, 1/2000, 1/3000, 1/5000」を加えた計11種類です。
※ 「1/300, 1/600, 1/1200, 1/3000, 1/5000」は Ver.1.2.0
で追加されました。
ここで、PDF印刷される図面は、あくまでもデータの通りに描画していることをよく認識してください。登記所備付地図データには、精度の劣るデータも含まれていますので、縮尺を指定して印刷したからと言って、現地の寸法と整合するとは限りません。
縮尺の表示
指定した縮尺は、PDFの図面の右下に以下のように表示します。「標尺(スケール)」と「出力用紙」も出力することで、紙に拡大縮小して印刷された場合でも縮尺を間違えないようにしています。例えば、A3のプリンターがなくてA4に印刷した場合でも、標尺を見れば縮尺がわかります。
ただし、以下の場合は縮尺や標尺を表示していません。
- 登記所備付地図データの元になる図面(旧土地台帳附属地図など)が「縮尺不明」の場合
- 出力範囲の中央部分に筆がない場合
縮尺不明の図面は、どのような縮尺で筆の座標を読み取ったか定かではなく、図形データとしての信頼性に乏しいので、縮尺を表示しないようにしています。また、縮尺不明の図面であるかは、中央部分の筆の属性から判別しているため、出力範囲の中央部分に筆がない場合も縮尺を表示していません。
※ 本PDF印刷機能では、縮尺データ(縮尺分母)が未入力の図面はすべて「縮尺不明」として扱います。
5. 地番のラベル印刷のON/OFF切り替え
図面に地番のラベルを[印刷するか/印刷しないか]を以下のチェックボックのON/OFFで切り替えできます。
チェックボックスをONにすると以下の1つ目の図のように地番がラベルとして印刷され、OFFにすると2つ目の図のように印刷されません。
地番のラベルが密集して重なるようなケースで、筆界線が見えるように印刷したい場合などに役立ちます。
6. 張り合わせに便利な機能(移動、張り合わせモード)
広い範囲の公図が必要な場合や1枚に収まりきらない筆がある場合は、複数のPDFを印刷して貼り合わせます。そのような作業には、以下の2つの機能を使うと便利です。
移動
以下の移動のプルダウンメニューから「上, 左, 右, 下」を選択すると、出力範囲の幅や高さの分だけ移動できるので、複数のPDFをピッタリ貼り合わせできるようになります。
張り合わせモード
本PDF印刷機能では、ほとんどが範囲の外に出てしまう地番のラベルは印刷しないようにしていますが、以下の張り合わせモードをONにすると印刷するようにできます。
例えば、以下のように張り合わせモード:ONにすると、地番のラベルが省略されずに印刷されるので、地番の文字も張り合わせることができるようになります。
7. 余分な筆界線の未描画機能
登記所備付地図データは、法務省の仕様に基づき作成されています。
筆の形状は、この仕様に従い「ポリゴン」と呼ばれるデータ形式で入力されています。ポリゴンは多角形のデータであり、線分をつなぎ合わせた「リング」で形成されます。
ほとんどの筆のポリゴンは、1つのリングからなりますが、以下のようにドーナッツ状になっている場合は2つのリング(外部境界と内部境界)で表します。
この仕様の通りにデータが入力されていれば問題ないのですが、実際の登記所備付地図データの中には、ドーナッツ状の筆であっても、2つのリングではなく1つのリングの一筆書きで入力しているデータがまれに存在します。そのようなデータをそのまま描画すると以下のように余分な線が残ってしまいます。
このようなケースの場合、登記所備付地図データ(XML)では、「筆の形状」とは別に「筆界線」というデータに「未描画線」と指定することで、この余分な線を描画しないようにしています。
一方、本サイトの公図ビューアでは、汎用的なデータ形式(GeoJSON)を採用しているので「筆の形状」だけを扱っています。そのため、余分な線があっても、PDFに印刷しないように指定することができません。
そこで、本PDF印刷機能では、プログラムで検出できる余分な線に限って印刷しないようにするオプションを付加しました(一筆書きで2つのリングを描いているデータを検出しています)。
上の画面にあるチェックボックスをチェックして、このオプションをオンにすると、検出された余分な線は以下のようにPDFに印刷されません。
参考記事
地図情報システムで取り扱う地図情報のデータ形式について(法務省)
8. 地番リストのCSV出力機能
以下のように、PDFの出力範囲内に地番のラベルが含まれている筆の地番リストをCSVファイルに保存できます。
CSVファイルは以下の「CSV」ボタンをクリックするとすぐに保存されます。
エクセルでCSVファイルを開く方法
保存したCSVファイルをエクセルで開くときは、直接開かないで必ず[ファイル]-[インポート]を使用してください。ダブルクリックなどで直接開くと「文字化け」します。
インポートはウィザードの通りに従えば実行しますが、以下のように「元のファイル」をUnicode (UTF-8)、「区切り文字」でカンマをチェックすることを忘れないでください。
9. 注意事項(ご利用前に必ずご確認ください)
公図ビューアのPDF印刷機能は、以下の注意事項をご確認いただき、ご了解いただいた上でご利用ください。
- キーだけの販売はしておりません。あくまでも有料記事の特典としてご提供しております。
- キーは有料記事の購入者のみご利用ください。キーだけを第三者に配布しないでください。
- キーは不定期に変更することがあります。変更した場合には、必ず有料記事に新しいキーを掲載しますので、その都度ご確認をお願いします。
- デジタルコンテンツのため、有料記事の返品・返金は承っておりませんので、事前に十分にご確認のうえご購入ください。
- 不具合の修正や機能の改善のために予告なしに改変することがあります。
- 登記所備付地図データの特性(精度の低い図面を含む・リアルタイムでない等)を十分に理解した上で適切にご利用ください。
- 本PDF印刷機能は、あくまでも読み込んだ登記所備付地図データをPDFファイルに出力する機能です。この機能で印刷しても、内容を証明する書面とはならないのでご注意ください。
- ご利用にあたっては、こちらの内容についてもご確認いただき、ご了解いただいた上でご利用ください。当該利用規約に記している通り、本サイト(すべてのツール、コンテンツ、データ等を含む)の使用または使用不可によっていかなる損害が生じた場合でも、弊社はその一切の責任を負いません。
10. バージョンアップ履歴
バージョン | 年月日 | 内容 |
---|---|---|
Ver.1.0.0 |
2024/06/29 | 初回リリース |
Ver.1.1.0 |
2024/08/03 | 2レイアウト(「A3図のみ」「A4図のみ」)を追加 |
Ver.1.2.0 |
2024/09/28 | 縮尺に1/300, 1/600, 1/1200, 1/3000, 1/5000を追加、地番のラベル印刷の切り替えを追加 |
Ver.1.3.0 |
2024/10/11 | 張り合わせに便利な機能(移動、張り合わせモード)を追加 |
※ 網掛けされているのが現在のバージョンです。
※ CSV出力機能は2024/09/30に追加しました(バージョンアップの該当以外としています)。
バージョンは以下のように出力したPDFの下部に表示されています。